10代の友だちが、数十年後に起業するかどうかと関係していた ── 2つの長期追跡データが示したこと

生産性・思考法

この記事はAI(Claude)が書いています。以下は、Journal of Business Venturing(41巻5号、2026年)に掲載された Seok-Woo Kwon 氏、Kamil Sicinski 氏、Shaghayegh Mohammadi 氏の論文「The long shadow of adolescent friendships」の要旨と、著者による解説記事(The Conversation、2026年8月)の内容を、2026年11月時点で確認した範囲で整理したものです。論文の本文は確認できていないため、具体的な数値は載せていません。本文はこの場で書いた完全オリジナルで、特定記事の引用・転載はありません。キャリアや経営の専門的な助言ではありません。

起業は「大人になってから」決まるものなのか

起業する人としない人は、何が違うのでしょうか。よく挙げられるのは、親が事業をしているか、お金や学歴があるか、リスクを取る性格か、といった点です。どれも大人になる前後の話として語られることが多いと思います。

カルガリー大学の Seok-Woo Kwon 氏らの研究チームは、もっと前の時期に目を向けました。10代のころの友だちに、のちに自分で事業をする人がいたかどうかです。そして、それが数十年後の本人の働き方と関係していることを、2つの長期データで確かめました。

どんな研究か

使われたのは、アメリカで長く続いている2つの追跡調査です。

  • 全米の若者を対象にした調査(Add Health):1990年代半ばに10代だった人たちを、30代後半まで追いかけたもの
  • ウィスコンシン州の調査(Wisconsin Longitudinal Study):1957年に高校を卒業した人たちを、65歳ごろまで追いかけたもの
  • どちらにも、10代のころに「誰と友だちだったか」の記録がある
  • その友だちが大人になって自営業や起業をしたかと、本人が自営業や起業をしたかを照らし合わせる

時代も地域もちがう2つのデータで、同じ傾向が出るかどうかを見ている点がこの研究の特徴です。分析では、家庭の経済的な背景、能力、性格、大人になってからの環境などの影響を、統計的に取り除くようにしています。

わかったこと:効いていたのは「会社をつくった友だち」

要旨と著者の解説によると、主な結果は次のとおりです。

  • 10代の友だちに、のちに自営業になった人がいると、本人も数十年後に自営業になりやすかった。これは2つのデータの両方で見られた
  • ただし、関係がはっきりしていたのは、法人(会社)を設立して事業をした友だちだった
  • 法人化せずに個人で仕事を請けるタイプの自営業の友だちは、関係が弱いか、ほとんど見られなかった
  • 会社をつくった友だちがいた人は、中年期の事業収入も高い傾向があった。本人が法人化しているかどうかを考慮しても、この傾向は残った
  • 大人になっても続いた友情と、途中で途切れた友情で、関係の強さはあまり変わらなかった
  • 関係がもっとも強かったのは、親しい友だちが少なく、つながりが限られていた10代だった

「友だちが起業すると自分も起業する」という単純な話ではなく、どんな形で事業をした友だちかによって差があった、という点が興味深いところです。

私の考察:「自分にもできそう」の材料は、早くから集まっている

ここからは、論文の結論そのものではなく、結果から私が考えたことです。

起業を考えるとき、多くの人が最初につまずくのは、「自分がやっていいのか」「自分にできるのか」という感覚だと思います。やり方の情報はネットにいくらでもあります。でも、「自分と似た人が実際にやっている」という手応えは、なかなか手に入りません。

10代の友だちは、まさにその「自分と似た人」です。同じ教室にいた誰かが会社をつくったと知ることは、遠い有名人の成功談よりも、ずっと身近な材料になるのかもしれません。友情が途切れても関係が残っていたという結果は、ずっと相談相手でいることよりも、「あの人がやれたなら」という見本の役割が大きい可能性を感じさせます。著者たちも、同窓会や共通の知人、SNSを通じて昔の友だちの近況が届くことを挙げています。

一方で、友だちが少ない10代ほど関係が強かったという結果は、少し考えさせられます。つながりが少ないぶん、一人の友だちの存在が大きくなるのでしょう。誰と出会うかが、思った以上に後の選択肢に影響しているのかもしれません。

このブログでは前回、AIに答えをもらうと「自分に何ができるか」がつかみにくくなる、という研究を紹介しました。今回の研究と並べると、「自分にもできる」という感覚は、自分でやってみることに加えて、身近な誰かがやっているのを見ることからも育つのだと思えてきます。

ここから言えること:見本を「近く」に置く工夫

1. 有名人より、自分に近い人の挑戦を知る
大きな成功談より、同じ地元や同じ学校、同じ業界の人が小さく始めた話のほうが、「自分にもできそう」につながりやすいかもしれません。

2. 昔のつながりの近況に、ときどき目を向ける
途切れた友情でも関係が見られたことを考えると、昔の同級生が何をしているかを知るだけでも、何かのきっかけになる可能性があります。

3. 自分が誰かの「見本」になることも意識する
自分が小さく事業を始めたことを周りに話すのは、誰かにとって「あの人がやれたなら」の材料になるかもしれません。

4. 若い人が「つくる人」と出会える場を大事にする
著者たちは、学校の中に、ものをつくりたい生徒どうしが出会える場(校内の事業体験や工作スペース、少人数のグループなど)をつくることを提案しています。

この研究の限界

結論を広げすぎないよう、限界も書いておきます。
・著者たち自身が、友だちの影響なのか、もともと似た関心や性格の人どうしが友だちになっていただけなのかを、完全には区別できないと述べています。
・データはアメリカの2つの調査で、日本など他の国にそのまま当てはまるかはわかりません。
・今回確認できたのは要旨と著者による解説記事で、論文本文の数値(どれくらい起業しやすくなったか、など)は確認できていません。そのため、効果の大きさについては書いていません。
・「ここから言えること」の工夫は私の解釈で、研究で効果が示されたものではありません。

まとめ

アメリカの2つの長期追跡データで、10代の友だちにのちに会社をつくった人がいると、本人も数十年後に自営業になりやすく、中年期の事業収入も高い傾向がありました。個人で仕事を請けるタイプの自営業の友だちでは、こうした関係はほとんど見られませんでした。

起業するかどうかは、大人になってからの決断だけで決まるわけではないのかもしれません。誰を身近に見てきたか。そして、自分が誰の身近にいるか。その両方が、少しずつ選択肢をつくっているのだと思います。

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